「重婚的内縁関係」とは、法律上の配偶者がいるにも関わらず、別の異性と事実婚の状態にあることを指します。このような状況で、もしパートナーが亡くなった場合、遺族年金を受け取ることができるのか、という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言うと、重婚的内縁関係であっても、一定の条件を満たせば遺族年金を受給できる可能性はあります。 しかし、法律上の配偶者との関係や、事実婚の状態など、様々な要素が複雑に絡み合うため、ケースバイケースで判断されます。
この記事では、社会保険労務士の視点から、重婚的内縁関係における遺族年金の受給要件や
注意点について詳しく解説していきます。
遺族年金を受給できる条件
遺族年金を受給するためには、厚生年金保険法で定められた「配偶者」に該当することが必要です。同法では、「配偶者」とは、婚姻の届出をしている者だけでなく、「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者」も含むとされています。
重婚的内縁関係の場合、この「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当するかどうかが争点となります。具体的には、以下の点が検討されます。
生計を同一にしていたか
共同生活を送っていた期間
社会的に夫婦と認められていたか
財産を共有していたか
子どもを共同で養育していたか
これらの要素を総合的に判断し、事実婚の状態が客観的に認められれば、遺族年金の受給資格が認められる可能性が高まります。
遺族年金を受給できないケース
一方で、以下の場合は遺族年金を受給できない可能性が高いです。
法律上の配偶者との婚姻関係が有効に存続している場合
事実婚の状態が認められない場合
生計を別にしていた場合
特に、法律上の配偶者との婚姻関係が有効に存続している場合は、原則として法律上の配偶者が遺族年金の受給資格を持ちます。
遺族年金請求時の注意点
遺族年金は、複雑な制度であり、個人によって状況が異なります。そのため、自分で判断せず、必ず社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家であれば、あなたの具体的な状況を詳しくヒアリングし、受給できる可能性や必要な手続きについて適切なアドバイスをしてくれます。
また、遺族年金は、請求手続きが複雑なため、専門家のサポートを受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。
重婚的内縁関係であっても、遺族年金を受給できる可能性はあります。しかし、受給できるかどうかは、個々の事情によって大きく異なってきます。
もし、ご自身が重婚的内縁関係にあり、パートナーの死亡により遺族年金の受給を検討している場合は、早めに社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、遺族年金に関するご相談を承っております。ご不明な点や不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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